八王子国際協会国際理解教育委員会主催「異己」理解・共生ワークショップ

八王子国際協会国際理解教育委員会主催「異己」理解・共生ワークショップ

八王子国際協会国際理解教育委員会主催「異己」理解・共生ワークショップに参加。
「感じてみよう!あなたとわたしの違い〜多文化共生への一歩〜」

好きな食べ物は何?ラーメン、ハンバーグ、カレーライス、おにぎり、会場の四隅に絵カードが示され、それぞれ移動するアイスブレークから開始。
好きなものも違えば、好きな理由も皆それぞれ。
その後、5つ程のグループに分かれて着席。自己紹介ラポールを結んで。
ワークショップのお題は、「修学旅行に行った時の友達同士のつよし君とたけし君とのやりとり。
つよし君がチョコレートを持ってきて、たけし君に、チョコレート一緒に食べよう、と差し出します。
そのタイミングで、たけし君は、トイレへ中座し、トイレから戻ってきたら、そのチョコレートはたけしくんが美味しかったよーと食べてなくなっている状況」さて、あなたがたけし君だったら、どう思いますか?です。
以下の4択から各自選び、各テーブル毎で、なぜその選択としたのか、気持ちや考えを出し合い、全体で発表し共有。
A 全然気にしない
B 少し違和感はあるが、問題にしない
C あまりいい気持ちではない、今度またこんなことがあると困る
D 不愉快。理解できず、今後いい友達にはしない
八王子国際協会国際理解教育委員会主催「異己」理解・共生ワークショップ

写真にワークショップのお題を置きました。
皆様にも一瞬考えて見ていただけたらと思います。
対立したままで、平行線になって仲違いして終わるという状況もあるわけですが、どうその違いを超えていけるのか、というのが、このワークショップの狙い。

(2)今回の参加者は、小学生が2テーブル、高校生や社会人で占められるテーブルが3テーブル。
私がいたテーブルは、高校生1名と社会人3名でした。
私や社会人3名はCだったのですが、高校生のたろう君はAでした。
その違いはどこから来るのだろう?なぜなんだろう?と、テーブルでお互いに問いかけながら話します。
全体でロールプレイや意見が共有されると、和解の方法は色々示されました。
小学生では、ジャンケンして決着つけたり。
高校生には、代替品としてポテトチップスを渡すということも発表されました。

(3)また、自分と意見が異なる人と共生することに、難しいと感じたか、易しいと感じたか、5段階で、それぞれの付箋が付けられました。
難しいという思いを抱いた人の理由としては、「我慢をしなければならない」「互いにストレスを感じるから」。
易しいという思いを抱いた人の理由としては「みんな違ってみんないい、という差異を受け入れられるから」と挙げられました。

(4)さて、ここで改めて、こうした発表を聞いている中で、最終的に行き着いたのは、以下です。
すなわち、一つは、なぜ、かたや「チョコレート食べるのは許せない」と考え、かたや「チョコレート食べていいでしょ」と思うのか?その「違いの背景」に何があるか、これを「想像」し「思いやる」という姿勢を根底に持つことが出発点であり、大切だということです。
そして、同じテーブルでは高校の先生も参加されていたところ、先生に、例えば、クラスの生徒同士で何かあった場合にどうしていますか?と問うと、それぞれの言い分を徹底的に聞くと仰る。
すなわち「違いを見つける」作業ということの重要性が浮き彫りになりました。
場面戻って、ある人は「チョコレートを食べられて怒る」一方、ある人は「チョコレート食べて問題ない」と考える結果に至るまでの背景、その根本的な差異は、どこにあるのだろうか、と突き詰めて考えてみました。そうすると、チョコレートの帰属/所有についてどう考えているかという認識の違いに立脚点にあることに気づかされます。すなわち、つよしくん(自分)が持ってきたチョコレートは「自分のもの」と考える場合には、食べたたけし君はひどい、許せないという思いに至る。一方、チョコレートを差し出した時点で、そのチョコレートは、自分のものから「皆のもの」となったと考えている、だから、食べることはOKだし、食べてもらって怒りは感じないし問題ない、という結論/態度になるわけです。

(5)相手を受け入れるということは、ただ単に相手の意見に自分の意見を曲げて従うということではない。
もしこういうことを強いられるとストレスとなり、離れるしかない。
却って、共存は難しく、相反し対立のまま平行というところになります。
むしろ、「互いに違う」ということを前提に、「相手の背景に何があるのか」「相手の結論に至る過程に思いを致す」ことではないか。
「思いやり」「想像力」というキーワードの含意です。
その前提に、相手の個人に対しての尊重があり、受け入れるとは「異なる存在」を受け入れるということがある。
それなくして「違いを見つけ出す作業」は始まらず、逆に、それがあって初めて「自分と他人の違いの理解と共生に至るのではないか」そんな気付きを得たワークショップでした。

(6)これは、外交にも通じるし、国内における多様性を認め合う社会の前提だということ。
Aと感じた高校生のたろう君と同じテーブルに一緒できたからこそ、私自身一歩踏み込んだ思考に入ることができました。
森茂教授にご指導いただいてのワークショップ。
いつも勉強になります。準備された委員そして協会事務局の皆様に感謝を申し上げます。

蛇足ですが、参加された方から、「もしかして、朝西八王子にいますね?」と聞かれて「それ私です(笑)」そんな意味でも貴重な機会をいただきました。

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