南極から迫る気候変動

「南極から迫る気候変動」(法政大学多摩シンポジウム@ソーシャルイノベーションセンター主催

「南極から迫る気候変動」(法政大学多摩シンポジウム@ソーシャルイノベーションセンター主催)講座へ。
COP28は、今月11月30日からUAEで開催目前である。
講演前半は、柿澤教伸氏(社会学部教授・第63次南極地域観測隊越冬隊長)より。地球の人新世時代に置いて、”インティマシー”を柱とする認識枠組みへの転換の必要。

柿澤教伸氏(社会学部教授・第63次南極地域観測隊越冬隊長)

講演後半は、小西雅子氏(WWFジャパン専門ディレクター(環境・エネルギー)より。”人類がどのように気候変動に取り組んでいるか”という視点から。
休憩挟んで、パネルディスカッション。ファシリテーターは図司直也教授。

小西雅子氏(WWFジャパン専門ディレクター(環境・エネルギー)より

南極から迫る気候変動

温暖化が進む中、抑えるには、CO2などの温室効果ガス(GHG:Greenhouse Gas)排出を抑えることが必要である。
現在、工業化前よりも4度上昇に沿っている中で、自然環境への影響から人間社会(産業、国土や健康)への影響、世代間不公平の実態が示されました。
上昇1.5度に抑えるためには、2050年CO2排出ほぼ0の達成が必要、上昇2度の上昇へ押さえ込むには、2070年排出ほぼ0の達成への減少線を描く必要。
こうした中で、京都議定書が罰則付故に離脱が相次ぐ中で、合意されたパリ協定。
パリ協定は包括的な協定、自国で目標を決めることができ、目標達成状況については国際的に見える化(GST:Global Stocktake)、5年毎に目標更新は義務という枠組み。
2030年目標、2013年比較で、EU▲55%、米国▲52%、日本▲46%、英国▲68%、中国ピークアウトという目標を掲げているが、それでも地球全体で3度上昇の線。
COPは、国際社会で、実を取り進めていくための取り組みの場。
国家ほか、非国家アクターズ(NGO、機関投資家や研究者集団、メディア他)あらゆるアクターが参加し、働きかけている。
グローバルガバナンスでは、利害対立が激しい中で、合意に至ること自体、困難。
そして、合意に至ったとしても、協定が執行の段階、それぞれが自主的に働きかけることのほかに、脱炭素は進められない状況であること。
改めて、リアルに語られました。
COP27は、温暖化は、南北問題の側面もある中、脆弱な途上国が一番影響を受けている中で、「損失と損害」に対する補償、資金や技術をいかに支援していくか、柱となった。

今回、COP28は、今月11月30日から、UAEで開催の予定。
ジャベール議長は、気候変動対策に取り組む人物であり、石油会社CEOであるとともに、再生可能エネルギー企業会長でもあるところ、再生エネルギー容量を3倍とすることが地球温暖化1.5度に抑える為の重要なことと指摘している。
パネルディスカッションでは、「危機を煽る方がいいのか、もしくは、ビジョンを希望を語るべきか」「TVの向こう側、別世界のこととしている学生が多く、リアルに自分に関係があることとしていくにはどうすべきか」「里山保護の活動をしているが、足下からはどう取り組めばいいか」「化石燃料削減削減と言われるだけではなく、その代替として、どうすればいいのかが知りたい」といった問いがフロアから出ました。

ここ多摩キャンパスでは、ソーシャルイノベーションを学ぶとして学生が地域実践、プロジェクトを実行する中、このシンポジウムには地域の方々も多く参加し耳を傾けていました。

最後には「Think Globally, Act Locally」で締められました。

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