不登校特例校「高尾山学園」視察

不登校特例校「高尾山学園」視察

不登校特例校「高尾山学園」へ視察。

(1)
岩崎さやこ東久留米市議より「市民の方から不登校に関するご相談が多く、近くに不登校特例校の設置を求める声もいただいているところ、不登校特例校の視察をしたい」と連絡を受けたのが、7月中旬でした。
これを受けて、私からお世話になっている八王子在住で不登校支援に取り組み、高尾山学園の設置にも繋がりある幸地正憲先生に視察のご相談させていただき、黒沢正明校長先生に受入れていただき実現。お子さんが今不登校にある保護者の方もご参加。タカオネラウンジにて、事前レクを実施の上で現地に伺わせていただきました。
当初、設置に消極的意見が多く占める中で、国家戦略特区の枠組みを使い、総務省管轄で設置された設置経緯・枠組みはじめ、学校の運営方針/体制、先生・指導補助員・スクールソーシャルワーカー、心理職、福祉や医療機関との連携等様々な側面からお話をいただきました。
子どもが不登校になる要因はそれぞれであるが、そうした中で、社会性・学力、福祉、医療等、各要因に応じて、サポートが必要。こうした中で、駒木野病院児童精神科医に先生が週1回は子どもの状況を相談できる専門職との連携体制も整えている。
子どもの「居場所」の確保はもちろんのこと、子どもの「学び」「未来・進路」を見据えて、高校進学時点での内申・成績評価が求められる中で、分教室型ではなく「学校型」で対応。重要。授業時数/教育課程も柔軟に対応できるしくみ/環境。体験。朝の1時限目は開始を遅らせて、その時間は先生同士が生徒の状況について日々情報共有に充当。

(2)
学校が「しなければならない」「強制」場になりがちな点を転換。「強制はしない/無理強いはしない」「子どもの意志、選択を尊重」。
子どもにより、一斉授業コースもあれば、一人一人の習熟度に応じて、プリントを用いて学習するコースの二つに区分。
授業は、科目毎に生徒が教室を移動して受ける形式。「知的好奇心/学ぶことの楽しさ」を。授業がそうでなければ、プレイルームに行くことを子どもが選択。そうした中で、先生も子ども興味を持って学べる授業内容/組み立てを作ろう工夫。
授業の教室も各教科毎にスタイルが異なる。
科目授業を受ける教室の他に、プレールーム、そして、相談室。
どの場所にも、4名以上の先生や補助員など常駐し、子どもと向き合う。
学校校長先生以下、78名。「充実した支援体制」
授業での姿と、プレールーム/相談室で見せる子どもの表情は、それぞれ異なるという。
プレールーム/相談室で日報をつけている中、それぞれの内容を照合し、子どもの状況を、全員でケース会議や回覧などで、情報を共有。
そして、この取り組みは、人数の量的厚さはもとより、それぞれの方の持つ質的な側面「人の力」が大きいと痛感。他の学校から異動をしてきて、これまでの授業のやり方が通用しないと、改めて授業内容を組み立て直す先生もあると言う。廊下に掲示、プレイルームも工夫に溢れている。相談室で対応の心理職は、応用問題に対応できる職員。また、法政大学研究室心理職志望の学生達も連携。
また、畑を設け、隣接の団地の方にサポートに入っていただいたり、挨拶を交わすような仕掛け。八王子まつりには、校長先生の町会へ山車を引く参加。「様々な体験活動」

(3)
転入前、最初、校内にあるやまゆり教室が適応指導教室に通う。市内各学校からの欠席日数が増加/長期化している生徒にかかる個票に基づき、スクールソーシャルワーカーが学校へ訪問。そうした中で、本人が高尾学園に行ってみよう、という思いになった機に、やまゆり教室に。見学から。付き添いありから始めて、本人付き添いなく授業を体験する→一日を体験する、段階を追って、高尾山学園へ。
そして、ここでは、机に名前が貼ってあって、よく来たね、と声をかける。その子どもの存在を認めているのが、居場所があるというのがいい。
ここでは、「毎月転入」を受け入れている。全国でも毎月転入を受け入れる学校はほとんどないが、やはり子どもが行こうという思いを持つ、子どもにとっていいタイミングで受け入れるため、毎月受入れている。
高尾山学園に転入すると、総合学習などの時間を使い、また、クラスメート同士が自然に話をしコミュニケーションが取れるような遊び/仕掛けを作る。協働と完遂。新しく入るからといって、奇異な目で注目もされることもなく、安心できる環境の下、自然に馴染んでいけるように環境を整えている。
そうすると、初めて〇〇ちゃんと話したと書いたりする。
こうした中で、原籍校で全欠だった子も、自己肯定感を高め、学校で廊下でキャッキャと、いきいきと過ごす様になっていく。
中1-2年に、プレイルームにばかり行っていた子どもが、中3になると、友達からそろそろ勉強しないといけないのではないの?等声をかけられることで、授業に出る様になったり。こうした人間関係が構築されている。

(4)
質疑で、通常学校で、なぜそれができないか→正規教員人数や予算のハードル。(2023年度市費予算約6200万円)
人材が肝であるがその発掘は?→異動のタイミングで、学ぶ姿勢のある先生を、校長先生が面談の時に、学ぶ姿勢があるかどうかを見ているとのこと。そして、ここで、不登校の子どもと向き合いながら、寄り添う、手を差し伸べたいという思いを持っている先生が、周りの取り組みも見ながら、工夫をしながら、取り組んでいく。育てていくとのこと。

(5)
子ども一人ひとりに寄り添うことを出発点に、居場所、未来を見据えて、不登校で何がハードルになっているか、それに応じて、制度枠組みの転換を測っていくこと。
黒沢校長先生は、生徒に「自分の未来を描けるか」問うといいます。
そして、
学校において、重要なことは、強制をしない。子どもの意思/選択を尊重。
そして、「しくみ」と「人」それを支えるべき「予算」と思いました。
現在、都内においては、大田区でも設置が具体化しており、世田谷区また練馬区でも、既に動きがあるところ。その他の自治体においても、昨日視察に参加した、各自治体からの各議員が種になり、不登校特例校設立や原籍校での課題の解決に向けた行動へ、第一歩となればと思います。
新聞の切り抜きを持ち、不登校のお子さんのことから、問いかけをいただいた保護者の方の思いに、そして、会えてはいないも同様に願っているだろう子ども/ご家族の存在を胸に、お応えして行きたいと思います。
最後に、改めまして、コーディネートしていただきました
幸地正憲 先生、受け入れていただきました黒沢正明校長先生に深く感謝申し上げます。引き続き、ご指導賜りますよう、よろしくお願いいたします。
タカオネラウンジのお手配いただいた川上さんにも、ご協力感謝します。

(参加者)
岩崎さやこ東久留米市議
東久留米市在住保護者
鈴木ゆうま西東京市議
坂元ゆうき目黒区議
金久保ななこ新宿区議
徳山れいこ大田区議
大貫はなこ台東区議
近藤秘書(円より子東京17区総支部長事務所)
さとう由美東京24区総支部長

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