連合三多摩政策制度討論集会2022へ。
全体会の後、子どもと共生社会をテーマにした分科会には「全盲の僕が弁護士になった理由」大胡田誠弁護士講演に。
現在の仕事・家族のこと、生い立ち・受験、障がい者の置かれた状況、と展開されました。
スマホ読み上げや色を教える機械も初めて見ましたが、障がい者の置かれた状況はもとより、
人生に対する姿勢、金言の数々。
笑いもありながら胸が打たれる講演でした。
・依頼者との信頼関係の醸成に悩んだ時があった。人は合わせ鏡。
知識、経験、人間性の全てが試される仕事
・失明した12歳の時、筑波盲学校入学の際、「目の見える人達の社会から目の見えない人の社会」に入るのだと、コンプレックス、可能性が遮られた思いになった
・日本初全盲の弁護士竹下義樹著「ぶつかってぶつかって」と出会い、手助けを受けるだけの人生と思っていたが、自分も誰かのために仕事ができるのではないかと思った
・点字の参考書や問題集がなかった中ボランティアに点訳受け勉強
受験できる大学がほとんどなく、受験を断られた。慶応大のみ。下宿先を探すが、入居拒否される。その時に、普段明るいお母様が涙を流し、ごめんねと。子が障がいを抱えることで母が子にごめんねと謝る社会はおかしい。社会を変えたい
・入学したら、大学の授業で、教授から、点字の音がうるさいという苦情が出ているから大胡田君は端に移りなさいと言った出来事。自分は違う存在と思ったら、涙が止まらなかった。その時、複数の学生から弁護の声があがった。大胡田君は好きな席に座ればいい、うるさいと思う人が移動すればいいんだ、とか、その後、授業は横に置き、大討論会に。誰かが弁護してくれる応援してくれると、その人の存在を支える。健常者・障がい者平行線でなく交わること。
つらい出来事だったが、同時に、今の自分の弁護士としての姿勢を決める出来事であった
・迷った時は自分の心が温かい方を選びなさい。
もう無理だ、と思った時は夢は間近
・日本は、建物などのバリアフリーはトップレベルだが、心のバリアが高い。
日本で、寒い日、コーヒーで温まろうとしたら、妻盲導犬連れて店内拒否され、温まるはずが外のテラス席でコーヒーを飲むことになった出来事。
アメリカでスカイダイビング、皆楽しんでいますよ、と。グアムのホテルで、シャンプーリンスボディーソープボトルが全て同じ形で区別つかなくて困っていると連絡したら、すぐ、シャンプーにはゴム、リンスにはシール、ボディーソープにはクリップ付け対応。
・「相手を思うこと」が社会を変えていく
質疑から応答
① 障がい者雇用環境、自立に向けて。
②合理的配慮は、「一義的に見つからない。対話により決まるもの」このことは、障がいに限らず、高齢者・外国人も同様。代替手段を探していくこと。対話は、砂山を双方から穴を掘っていくことに似ている。対話こそ日本の社会を変える起爆剤。
ボッチャ手元にボール位置確認ミニチュア
③支える近所や自治体サービス、声かけについて。
現在、 外出ヘルパーが経済活動に使えないが、福祉を就労にも使えると、障がい者の可能性が広がる。
シルバーパスの介助者以前半額割引だったが、現在割引ない。
声かけ「何かお手伝いすることはありますか?」
④9月国連から分離教育是正勧告について。一気に進むと、障がいを持つ子ども達が混乱する可能性もある。点字や手話など、専門的教育を受けるまとまった時間も必要。ハイブリッドで。
⑤音声信号8:00-20:00。音なく、周囲に人の流れなく信号の色を教える人がいない時には、賭けで渡っている状況にある。
夜間小さい音か、もしくは、ボタンを押した時だけでも音が鳴る。あるいは、スマホなどで信号の色がわかると一人でも渡れる。
参考
One in Ten. 障がい者も社会の構成員として、一緒に社会を作っている
障がい者差別禁止法
障がいを理由とする不当な差別的取り扱いの禁止
×大学の受験を認めない
×不動産アパートを紹介しない
合理的配慮の提供義務
○点字やパソコンで受験できるようにする
○窓口で書類の代読・代筆を提供する
「ヤングケアラーの実態と支援のあり方 〜地域で子どもたちを守っていくためには〜」
「全盲の僕が弁護士になった理由 〜共生社会実現に向けて、住みやすい地域をつくっていくために〜」