週末からのこと。旧統一教会の関係の問題には、
①悪徳商法の一つである霊感商法という、
判断力を失わせて利得を増幅していく消費者被害と重なる問題。その被害は、信者であったりして貢ぐ形もあれば、様々な形式がある。
信仰を利用して、あるいは、宗教という名をかぶせて、カルト・セクトとしての反社会的行為を行う組織・集団をいかに根絶させ、被害を救済していくのか、そして、そこからの被害の回復をどう支えるのか、同時に、加害に加わった人の社会への再統合
という側面も重要で、安倍首相襲撃の被疑者の行為や環境は、ここに焦点があてられる。
②もう一つは、政治に対する影響、採用されるべき政策が歪められることへの影響である。
①と②、この二つは分けて考えられなければならない。
東京24区から選出されている現職は、大臣と横並びの党三役の一つ、政調会長に就くこととなった。
このことは、非常に危険なことだ。
それは、採用されるべき政策が採用されないことを意味する。陳情型の政治が、仲間内の利権を優先することによって、成長や発展を阻害するにとどまらず、国、社会の健全性を歪めることに直結するからだ。
③あと今一つは、あまり語られていないが、その背景にある、お任せ民主主義、劇場型の日本の政治のあり方こそ、問われなければならない。自民と統一協会の癒着を非難して、自分は正しいでは済まされないということだ。その言葉を発する一人一人は、普段、どれだけ政治活動に参加しているだろうか。
政治は評論や結果論を談義することではなく、社会を創るための行動に本質がある。
よく選挙で投票に行こうキャンペーンがはられるが、投票とは、「最後の」決断を表明する、重い行為だ。その前には、そこに向けた、どういう社会をつくるかの運動から成り立っていることがある。日本は、この意識が薄いことが、背景にあることは忘れられているようだ。
統一教会が影響力を持ったのは、信者の投票数だけではなく、電話かけからポスティング、ポスター貼りから、「神の国」をつくるという言葉の下に、稼働していることにある。それこそが、現場からの、統一教会の自民党への影響力の源泉だ。
観客気分の有権者、買い物でものを選ぶかのように投票する有権者、関心のない有権者、そういう実態こそが、積極的に我が事として動く教団に、日本を、政権を乗っ取られる結果を引き起こしていることに対して、我ごととして危機感を持って、もっと語られ、認識されるべきではなかろうか。
私は、一人一人の政治参画こそ、今の日本の政治を、社会を、転換させる鍵であると思う。
(以下、記事抜粋)
教団の価値観が政治に影響を与えていた可能性は否定できないと考えている。
■「国のあり方をいびつにした可能性がある」憲法学者が指摘する”統一教会と政治”問題の本質はー
「非常にこの国のあり方をいびつにした可能性があるという、本当に戦慄する話なのではないかというふうに思っています。例えば、選択的夫婦別姓の問題とか、あるいは同性婚の問題とか、G7諸国ではちゃんとできているのになぜか日本だけ何周も遅れている
■「家庭教育支援条例」は「国家権力の家庭への介入」 弁護士会は「親の教え方を、国とか行政が一律に押し付けるというのが間違っている」
「”家庭教育支援法”の制定を求める意見書というものが全国各地の自治体で議会に出されている。その陳情者、最初に出した人が誰かとたどっていくと、その地区の”国際勝共連合”の代表者であったりとか、代表者が作っているダミー団体みたいなところから息のかかった政治家、地方の政治家が請願を出して、地方議会でそれを採択して、中央に提出する」
「1人1人の人が違っていいという『個人の尊厳』が根本原理としてある。多様な生き方が保障されるべき現代社会において、将来、子供は『必ず異性と結婚して子供を作るのが正しい姿なんだ』というのは、子供の『自己決定権も侵害』しますし、親が子供に教育するという意味においては親の自己決定権の侵害でもある。